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国産大豆に勝負をかけ、商店街の豆腐屋から、有名百貨店にも卸す人気ブランドへ

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有限会社 久在屋(豆腐製造・販売) 代表取締役 東田和久様

古都・京都にあって、わずか一代で人気ブランドを築き上げ、今では全国豆腐連合会の評議員も務めている久在屋(きゅうざや)の東田社長。ニッポン豆腐屋サミットや豆腐品評会のイベントも手掛け、業界の成長と若手育成にも先頭になって取り組んでいます。今回は、その成功への歩みや、商品に込められた熱い想いなどについてお話を伺いました。

素材への徹底したこだわりが生む、久在屋ならではの美味しさ。

私たち久在屋の商品が多くの方々にご愛顧いただけている一番のポイントは、開業以来徹底してこだわりを注いでいる素材にあると思っています。その中でも最も重要な国産大豆は、大規模に生産されている奨励品種と、農家の方がそれぞれの地域で独自に栽培されている在来品種に大きく分けられます。私たちはこれらを商品ごとに使い分け、ブレンドし、大豆の甘み豊かな豆腐を作り上げているわけです。
特に在来品種は自家用に栽培されている農家がほとんどで、あまり市場に出回りません。しかし、その中には驚くほど味わい豊かな大豆が数多くあるのです。そこで私は全国を歩くなどして情報を収集し、時には農家を直接訪ね、その確保に努めてきました。例えば最初は少量しか分けていただけなかった農家でも、実際に豆腐を作って味わっていただくとその味に喜び、翌年は商品として売り出せる量の大豆を栽培・提供してくださったケースもあります。今では、契約農家が15件、使用する在来品種は30種にのぼっています。
特にこの日本各地の在来品種から時期により1種のみを選び、100%の原材料として作られる「地豆腐」は人気商品で、価格は少々高いのですが、その味は多くのお客様にお喜びいただいています。

売れるための努力や工夫は決して惜しまず、信じた道を歩み続ける。

今でこそ事業は軌道に乗っていますが、店の立ち上げ時はやはり苦労もありました。私はもともと大阪の出身で、学校を出てから4年間は会社勤めをしていました。その後一念発起して独立、京都へ出て修行を積み、まさに町の豆腐屋としてスタートを切ったのですが、スーパーの台頭に追われたり、価格競争に巻き込まれたり、店舗経営は必ずしも順風満帆だったわけではありません。
そうした中でも、当時まだ難しかったニガリを使った絹ごし豆腐に取り組み、3年をかけて商品化を実現するなど、素材と商品へのこだわりを常に持ち続けてきました。以前は、京都では国産大豆100%の甘味の強い豆腐は受け入れられないと言われたこともありましたが、それは言い換えれば他にはない豆腐を作っていることなのだと発想を転換し、地道に久在屋だけの味を追求してきたのです。
また、フィルムやパッケージで商品の魅力を語るように工夫を凝らすなど、スーパーや百貨店に並べられた際に手に取ってもらえるような努力もしてきました。こうした積み重ねが、実を結んできているのではないかと考えています。

豆腐は夢のある商品。育ってきた若い芽を業界全体で伸ばして行きたい。

このところの豆腐業界は、営業力の強い大手メーカーがやはり元気です。新商品開発に積極的な会社も多く、チゲ豆腐など惣菜的な商品も多く出回るようになりました。そして、こうした新商品をきっかけにすることで、本来の豆腐自体の売り上げもさらに伸ばしているようです。逆に言えばその分、昔ながらの小さな製造・小売店、特に地方のお店では苦戦を強いられているところが見受けられます。そういう要因もあって、このところ業界全体で後継者不足が叫ばれてきました。
しかし、今年(2018年)4月に東京ビックサイトで開催されたSOYMEXという業界向け展示会では、20代・30代と思われる若い方々に、想像をはるかに超える来場を頂きました。きっと、豆腐店の二代目・三代目や、新規参入を考えている方々も多かったと思います。私たちの協会(全国豆腐連合会)では、豆腐には夢があること、健康志向にもマッチした未来のある商品であることを以前より訴えてきました。今ようやく、こうした努力が報われ、新しい芽が出てきているように感じています。これからは、こうした芽をどのようにして伸ばしていくか、夢をどのようにして広げて行くかということがとても重要で、協会はこうした課題にも積極的に取り組んでいかなくてはならないと考えています。

経営計画を立てるなら、まず販売管理システムでデータを見る習慣を。

今や、豆腐業界でも一定の売上を持つ店はほとんど販売管理システムを導入しています。久在屋でも、約15年前に今のシステムを導入しました。FAXや電話での注文は手入力になりますが、大きな取引先などはEOSを介してデータが届きますし、お店の売上はレジから直接吸い上げられるので、とても便利に使えています。伝票発行など事務処理の効率化はもちろんですが、売上や商品の動きなどが確認できることも、経営者としては大きなポイントです。毎月、取引先別、商品別のランキングをチェックしていますし、年末には前年比の数字を細かに確認し、翌年への指標としています。
先ほどお話ししたような若い人たちも含め、これから経営計画を立てようと考えているなら、やはり販売管理システムを活用してデータを蓄積していくことをお勧めします。過去に起きたことをきちんと検証して、未来へ歩んでいくことが大切です。今や、町の小さな豆腐屋もおいしい豆腐をつくることはできる時代です。これからは職人意識だけでなく、どのように販路を広めるかなど、経営者意識を持つことが成長への大事な要素になると考えています。

有限会社 久在屋
京都市右京区天神川五条上ル
http://www.kyuzaya.jp

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