奄美大島の魅力を多くの人へ!情熱を持って、商品開発、販路拡大に挑む! [1/3]
株式会社奄美自然食本舗(奄美の自然食販売事業) 代表取締役社長 佐藤 吉央様
全国的には決して認知度が高いとは言えなかった奄美のきび酢。生産者の思いを感じて、東京・全国に拡販していこうと努力してきた佐藤様。今回は、その経緯や経営の秘訣について伺いました。
奄美の文化を広め、奄美の農家を支援するために誕生した会社
奄美が誇る長寿の秘訣を、多くの人に届けたい。
奄美自然食本舗は、「長寿の島・奄美大島の食文化を通じて、一人でも多くの方の健康に貢献していきたい」という思いのもとに誕生しました。先代の社長の旦那さんが奄美出身ということもあって、地域を活性化していきたいという気持ちもあったようです。私たちが一番初めに扱ったのは、「奄美かけろまきび酢」という商品。きび酢は、奄美群島の一つである加計呂麻島で江戸時代から伝わる伝統的なお酢で、サトウキビを原料にしています。昔から奄美では各家庭の瓶で黒糖を作っていたらしいのですが、知らないうちに雨水が貯まり、気づいたらお酢に変わっていたという言い伝えがあるんですよね。黒酢をはじめとするほとんどのお酢は、酵母菌を使って発酵させる必要があるのですが、きび酢は酵母菌を一切使っていません。地場の菌で自然発酵してお酢が作られています。原料がサトウキビなので、普通のお酢に比べるとミネラル分やポリフェノールが多く、塩分が少ない点が魅力です。
そこには、サトウキビ農家を救いたいという思いもあった。
このきび酢を商品化した背景には、奄美大島にある瀬戸内町という地域のサトウキビ農家さんが、ただサトウキビだけ栽培していても利益にならない、しかし黒糖にするには手間暇がかかりすぎる、どうにか収入を上げる商品はないだろうか、と悩んでいたこともありました。そこで白羽の矢が立ったのが、きび酢です。当時はちょうど黒酢が流行っている頃で、きび酢も売れるのではないかという希望がありました。加計呂麻島にある瀬戸内町の「特定離島ふるさとおこし推進事業」から「きび酢を商品開発して、東京・全国に広めていきたい」と話があったのが平成10年のこと。これが奄美自然食本舗のスタートです。そしてきび酢からはじまり、今ではドレッシングや黒糖、餅菓子など、サトウキビを原料とした商品を中心に、40種類ほどの商品を取り揃えています。
創業以来、こだわってきたのは、まさに社名の通り「奄美」の「自然食」を扱うということ。奄美の恵みをたくさんの方にお届けして、少しでも長寿につながるような食生活をサポートしたい、少しでも奄美の産業に貢献できればという思いで続けてきました。