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中小食品メーカーが「ヒット商品を作る」ための4つのステップ

  • 売上・集客拡大

日本の食品メーカーは諸外国と比べても大手も中小も低利益率な現状・・

「ヒット商品を作りたい!」――これはどの食品メーカーにも共通する願いでしょう。しかし、なかなか一筋縄ではいかないもの。幾度とない試行錯誤を繰り返しながら、開発に苦戦されているメーカーさんも多いことと思います。

今回は、ヒットを生み出す中小食品メーカーの商品開発法について、4つのポイントをご紹介したいと思います。

さて。その前に、お話しておきたいのが、世界から見た日本の食品メーカーの現状です。

日本の食品メーカーは諸外国と比べても大手も中小も低利益率な現状・・

人口減少と市場の成熟化により、売上規模の拡大が難しくなった国内市場では、利益率をより重視した経営手法が進んできています。

これは中小企業だけの問題ではなく、大手メーカーも総じて同じ傾向です。
(参考:食品需要研究センター「食品企業財務動向調査」、日本貿易振興機構「欧州中小企業から学ぶ販路開拓事例 (食品編)」)

事実、実態として国内の10億円未満の食品メーカーの営業利益率は5.6%であるのに対し、日本と同じく99%が中小食品製造企業である欧州の中小食品製造業では、英国11.5%、オランダ10.1%、フランス16.0%と、日本の利益率が極端に低いことが分かります。

これは中小企業だけの問題ではなく、大手メーカーも総じて同じ傾向にあります。
(参考:食品需要研究センター「食品企業財務動向調査」、日本貿易振興機構「欧州中小企業から学ぶ販路開拓事例 (食品編)」)

日本は「規模」と「安定性」を重視し、欧米は「成長性」を重視する

この違いは、流通構造の違い(欧米は小売業の寡占化率が日本より高い)、税率、原料調達価格などの外部条件の違いも一因です。
しかしながら企業の内部要因を比較してみると、自社の競争優位の位置づけとして、日本企業が「価格」を挙げるのに対し、中小食品製造業の利益率が高い欧州の企業は「価格」の位置づけが低く、「製品の品質」・「顧客との緊密な関係」を重視するなど、経営指針の違いが影響していることが分かります。

規模から利益重視の時代、日本の中小食品製造業に求められるのは、高い付加価値を生む商品を開発する路線へ進むことです。

また、中小食品メーカーは大手メーカーと比べると営業のマンパワー、宣伝広告費予算等が潤沢ではないため、自ら売り込まなくても取引先から「あなたの会社の商品を取扱いたい」と声のかかるヒット商品を生み出せるか否かが課題です。このような背景から、中小食品メーカーにとって付加価値の高い、つまりはブランド力のあるヒット商品の開発が求められているのです。

消費者の購買行動が変わってきている!

消費者の購買経験が豊かになりヘビーユーザー化するとともに、「より高い所得」・「より多くの消費」という資本主義の経済人モデルから、高い所得よりも自己の描くライフスタイルの実現を優先し、消費は本当に自分が欲しいもの・価値あるものを選ぶ、生活シーンに応じてコモディティ商品を選ぶといった「選択的消費の時代」となった今、消費者が購買を決める上で重視するようになったのが「経験価値」の重視となってきています。

単純に物質的な価値や価格だけでなく、「デザインのされ方」や「購入の仕方」にまでこだわりを持ちはじめる傾向が消費者の中で生まれているため、

「製品やサービスの購入・利用経験を通じて得られる満足感や感動といった感覚的な価値」=「経験価値を消費者に提供することも配慮した商品の設計・開発」

が今後、鍵になってくると考えられます。

それを踏まえた上で、ヒット商品を生み出すためのステップを紹介いたします。

ヒット商品を生み出す4つのステップ

図―1 ヒット商品開発のステップ

中小メーカーのヒット商品開発ステップは下記の4段階に整理されます(図-①)。

ステップ1:自社の強み、事業を通じ社会にどんな貢献を果たすのか?
といったミッションを整理し、大手には提供できない価値を見直す。
ステップ2:自社が一番になれる新しいカテゴリー(市場)を見出しターゲットと販路の絞込みを行う。
ステップ3:商品設計。唯一無二の商品開発(オンリーワン商品の開発)を行う。
ステップ4:生産流通設計。原料供給、製造拠点、収支&製造計画、生産&在庫管理、生産管理基準より生産計画・流通設計を実施する。

多くの中小メーカーが、生産流通設計を軸に商品の開発を行ってきたため、他社との差別化や消費者の求める商品の開発につながらないのです。これらのステップを通じ開発された商品は、ブランディングを図るためパブリシティの活用を行います。大手のように広告費はかけられなくとも、プレスリリースなど大きなコストのかからない広報活動に取組み、TVや雑誌に紹介されることで、ブランド力を高めていくことができるのです。

パブリシティの成果を高めるためには、品評会やコンテストでの受賞実績、販売実績に基づく信用訴求を意図的に築いていくことが重要となります。バイヤー・一般消費者ともに自分の目利きに自信を持っている日本人は多いとは言えませんが、知人や著名人などが発言したことを信用する傾向は依然みられます。

また、ブランドが形成された後は、無闇な販路の拡張や商品ラインナップの拡張はブランド力を落とすことにつながりかねないため、慎重に展開する必要があります。

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株式会社船井総合研究所 フードビジネス支援部
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