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人口減少による市場縮小を乗り越えるための、BtoC事業強化のすすめ

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消費者直販を成功させるための3つのキーワード

みなさんは10年、20年、30年後の自社の経営において、どんなイメージを持たれていますか?漠然としたものでも構いません。前向きなイメージでしょうか?それとも危機的イメージでしょうか?

ちょっと過激な表現かもしれませんが、食品業界がこのまま現状維持を続けるということは、 “衰退”を意味します。

特に、食品業界に深刻な影響を与えるであろうと言われているのが、日本の人口減少です。約30年後の2048年、日本の人口は1億人を切るのだとか。(ちなみに2017年現在の人口は1億2600万人、2026年には1億2000万人に減少すると予測)。消費者の食事がダイレクトに収益に反映する食品業界において、人口減少は市場縮小、売上減少を意味しているのです。

東京などの都市部ではまだまだ実感が湧きにくいかもしれませんが、地方ではすでに人口減少が始まっており、その波は、じわじわと確実に都市部にも近づいてきています。既存ビジネスをただ続けていくばかりでは、30年後50年後の企業存続が危ぶまれてしまいます。

そのために取り組むべきことは、2つ。「新しい販路の拡大」そして「新しい商品の拡大」です。つまり、マーケット拡大に向けた取り組みですね。

では、どのような販路、商品でマーケットを拡大すべきなのか?

これからのメーカー、特に中小メーカーが取り組むべき販路は「BtoC直販」。
つまり、消費者への「直接販売」です。

「消費者直販」で高収益ビジネスを実現しよう!

では、なぜ消費者直販が必要なのでしょうか。その理由は以下の3点です。

1.利益率の高く、キャッシュフローが改善すること
2.安定したビジネスであること
3.ブランド構築することができること

「利益率の高いビジネス」とは、自分達で直接消費者に販売し、既存の流通(いわゆる「中抜き」)を飛ばすことができるために、同じ商品を販売しても自社が手にする利益は大きくなります。

また今後は原材料の高騰や人件費の上昇はメーカーとして避けて通れない経営課題になります。そのためメーカーが利益率の高い販路を確保することは必須となります。また、卸販売でのいわゆる掛け売りではなく、回収サイトが早いので資金繰りを考えても、消費者直販は魅力の販路の一つです。

次の「安定したビジネス」についてですが、中小のメーカーでよくある「卸先の都合に振り回される」ことがなくなるということです。
典型的なのは、今まで販売していた卸先の棚から外されることで、一気に売上がなくなるというものでしょう。もちろん営業努力もありますが、卸先や卸先のバイヤーの都合一つで、状況が変わってしまいます。

一方で消費者直販は、自社が抱える顧客に対するビジネスであり、自分達の取り組みによって売上を伸ばすことができます。

そして、「ブランドを構築すること」とは、消費者直販の最も大きなポイントになります。

上記に述べたように自分達の顧客に対しての直接販売を行うことで、本来自社で取り組んでいる「こだわり」を消費者に直接伝えることができ、自社に対してロイヤリティーのあるお客様を獲得することができます。

ブランドはお客様との「信頼関係」で作られていくものであり、直接のやり取りができるためにその「信頼関係」をつくりやすくなり、ブランドが形成しやすくなるのです。

売上高よりも利益率を高めるために・・・

一方で、消費者直販の課題もあります。それは、自分達で顧客を開拓しなければならないことです。さらに、消費者直販は多くの個人に対応しなければならないため、卸売り中心でビジネスをしてきた企業にとっては、1件1件は小さな売上でその割に面倒くさいと思うことも多くあります。そして、立ち上げ当初の煩わしさから挫折してしまう企業も多くあります。

しかし、これから10年、30年と市場が縮小するマーケットの中では、目指さなければならない経営は、売上規模ではなく、「利益を高めること」になります。

ある企業では、直販事業である直売店を立ち上げ、その地域でも話題になる繁盛店になりました。しかし、実際の売上は企業年商に対して10%にも満たない程度であり、売上や利益貢献という点では、それほど大きなインパクトはありませんが、その直売店のブランド力が既存流通の営業現場で役に立ちました。今までは商品を持って行っても、最後は価格交渉で終わっていた商談が、直売店のネームバリューが高まってからは、「直売店で売っているものを持ってきてほしい」、「価格は出された値段でいいです」という商談に変わり、既存流通での利益率が高まり、会社として高収益の商売ができるようになりました。

自社商品に合った消費者直販を!

最後に、消費者直販を取り組むときに何からやったらいいか?という課題があります。
直売店なのか、通信販売なのか、通信販売でもインターネットなのか、新聞広告などの紙媒体なのか、等々。

答えは、「全て取り組むべきです」が正解になります。ただし、一気に全て取り組むことは人的にも資金的にも難しいです。なので、将来的には全てに取り組むべきということになります。

では、「どれから取り組むべきか?」という疑問については、「何を売るのか?」によって決まります。つまり、主として販売する商品が何かによってターゲットが変わるので、そのターゲットに合った販路(店舗、インターネット、紙 等)を選択することが必要になります。

例えば、通信販売をインターネットで始めるのか、紙媒体で始めるのかというのは、シンプルに言えばターゲットの年齢層になります。今で言えば、主となるターゲットが40代前半までの商品であればインターネットであり、40代後半からそれ以上が中心であれば紙媒体となります。これはそのターゲットとなる世代が何を読んでいるか、使っているかによります。

また、店舗か、通信販売かということであれば、商品が「最寄品(利用頻度が高い、単価が低いもの)」であれば店舗の方が効果的であり、その逆であれば通信販売ということになります。

このように自社(の商品)に合った形で消費者直販に取り組んでいく必要があります。

これからの企業経営のキーワードは「高収益」です。理由は、人口減少から起こる既存のマーケットの縮小と人件費の高騰になります。メーカーの高収益化において、製造の機械化の他に必要なのは、高収益(高利益)を獲得できる消費者直販の強化になります。

すでに成果を出している事例も多くあります。少しでも早く消費者直販に本気で取り組むことが、今後のメーカーの生き残りのポイントになるでしょう。

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マーケティングコンサルタント 前田 輝久

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